オーグメンテーション
この2~3年でRLS用の薬であるドーパミンアゴニストの薬(ビ・シフロール、レキップ、ニュープロパッチ)の副作用としてオーグメンテーション(症状増悪)が発生することが話題になってきている。オーグメンテーションとはRLSの治療としてドーパミンアゴニストを服用するとRLSの症状が一時的に良化するが、しばらくするとRLSの症状が悪化することをいう。このレポートでは専門医師の発表内容(オーグメンテーションの定義、発症しやすい患者、発症率など)を示して、その後筆者が実施したオーグメンテーションの対応策について記述する。筆者には2014年と2015年の2回オーグメンテションが発生したので、その都度レキップで対応し、成功を収めたものと思っている。
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症状について
- 症状が普段より早く出現するようになった、また安静になってから症状が出現するまでの時間が短くなった。
- 今までの発症部位以外にも不快感が出現するようになった。
- 薬を服用するほど、不快感が強まる、症状が悪化する。
- 今までの発症部位以外にも不快感が出現するようになった。
発症率
発症率は下記のように示されている。
- 8.9%(中村真樹先生(睡眠総合ケアクリニック代々木院長)の調査)
- 22%(弊会の第2回アンケート調査結果)
- 7%(弊会の第3回アンケート調査結果)
注:弊会のアンケート結果(上記2および3)は患者自身が判定したものであるので正確ではないかもしれませんが参考になると思っているため記入しました。
治療薬とオーグメンテーションの発症率(中村真樹院長の講演会でのデータ)
発症率は下記のように示されている。
- ビ・シフロール:8~56%
- レキップ:2.3%
- ドミン:データなし
- ニュープロパッチ:1.5%
- ペルマックス:15~27%
対策方法(ビ・シフロールに起因するオーグメンテーション対策)
ビ・シフロールの服用を減らし、レキップやトラマール、トラムセットなど別の薬と併用することでオーグメンテーションが改善されるかを試みました。
- ビ・シフロールからレキップへ切り替えていく。オーグメンテーションが防止できた。
- ビ・シフロールの数量を減らしてトラムセットを追加
オーグメンテーションが防止できた。 - ビ・シフロールの数量を減らしてトラマドールを追加した
オーグメンテーションが防止できた。