オーグメンテーション
この2~3年でRLS用の薬であるドーパミンアゴニストの薬(ビ・シフロール、レキップ、ニュープロパッチ)の副作用としてオーグメンテーション(症状増悪)が発生することが話題になってきている。オーグメンテーションとはRLSの治療としてドーパミンアゴニストを服用するとRLSの症状が一時的に良化するが、しばらくするとRLSの症状が悪化することをいう。このレポートでは専門医師の発表内容(オーグメンテーションの定義、発症しやすい患者、発症率など)を示して、その後筆者が実施したオーグメンテーションの対応策について記述する。筆者には2014年と2015年の2回オーグメンテションが発生したので、その都度レキップで対応し、成功を収めたものと思っている。
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対策方法(ビ・シフロールに起因するオーグメンテーション対策)
ビ・シフロールの服用を減らし、レキップやトラマール、トラムセットなど別の薬と併用することでオーグメンテーションが改善されるかを試みました。
- ビ・シフロールからレキップへ切り替えていく。オーグメンテーションが防止できた。
- ビ・シフロールの数量を減らしてトラムセットを追加
オーグメンテーションが防止できた。 - ビ・シフロールの数量を減らしてトラマドールを追加した
オーグメンテーションが防止できた。
オーグメンテーションの発生率
No. | 品 種 名 | 発生率(%) | 出典 |
---|---|---|---|
1 | ビ・シフロール | 9.1 | 1 |
8~5 6 | 2 | ||
33 | 3 | ||
7 | 4 | ||
2 | レキップ | 2.3 | 2 |
3 | Lードーパ以外のDA | ≦10 | 5 |
4 | ロチゴチン | 2.7 | 6 |
13.2 | 7 | ||
5 | ドミン | ― | ― |
出典1: | 喬橋 et al Plos One2017;12: |
---|---|
出典2: | Garcia-Borreguero D et al:Mov Disord 2007;22Suppl |
出典3: | Silber MH et al: Sleep 2003 ; 26 |
出典4: | 友の会(第3回調査結果) |
出典5: | 井上雄一 睡眠医療 No.1, Vol4 2010 |
出典6: | Inoue Y et al Biol Psychiatry 2013 |
出典7: | Oertel w et al: Lancet Neurol 2011:10(8) |